看護師には、より高度な医療を提供することを目的とした資格認定制度が設けられています。専門看護師と認定看護師は、いずれも試験に合格しなければ取得できない認定資格です。普通の看護師とは異なるということでは共通していますが、仕事の内容や役割は異なります。専門看護師は、どちらかというと看護分野全般に関わる高度な知識や技術を持つ看護師です。一方で認定看護師は、より限定された分野の現場において必要となる知識・技術を持っている看護師です。より広く活躍したい人ならば専門看護師、特定の分野で活躍したいならば認定看護師を目指すと良いでしょう。
専門看護師と認定看護師の違いを知るために、さらに詳しく両者をみていきます。専門看護師が求められるのは、がん看護や精神看護など特定の13分野(2016年12月の時点)における知識や技術で、患者及び家族のケアをするために働きます。具体的に言えば、看護・相談・調整・倫理調整・教育・研究の6つです。例えば、病気によって不安や悩みを抱えている患者や家族の相談にのってアドバイスをしたり、自宅での療養をするときに訪問看護ステーションやケアマネージャーとの調整を行います。
続いて認定看護師についてみていくと、2020年度の改正により、21分野から19分野(クリティカルケアや緩和ケア等)へと変わっています。従来の制度に基づく認定看護師の教育は2026年までです。認定看護師の役割は、看護・相談・指導に分類できます。例えば、習得した知識や技術を用いて患者にあった最善の看護を考え実践したり、看護師やスタッフに対して自らの持つ知識や技術に基づいた指導などを行ったりすることが認定看護師の仕事です。